モスクワの「ВДНХ(VDNKh)」という、広大な展示・公園エリアの中に、「АТОМ(アトム)」という博物館があります。ロシアの原子力開発の歴史から、現代の原子力発電、原子力砕氷船まで、幅広く展示されている、本格的な科学博物館です。この記事では、基本情報と、見どころをまとめます。

基本情報
| 正式名称 | Музей «АТОМ»(博物館「アトム」) |
| 住所 | пр-т Мира, д. 119, стр. 19(ВДНХ内、19号館) |
| 最寄り駅 | 地下鉄オレンジ色の6号線「ВДНХ」駅 |
| 開館時間 | 火〜日曜 10:00〜21:00(入場は20:00まで) |
| 定休日 | 月曜日 |
| 入場料(一般) | 600ルーブル |
| 入場料(外国人・CIS諸国民を除く) | 2,350ルーブル |
| 割引料金 | 450ルーブル(平日)/550ルーブル(休日) |
| 予約 | 不要(当日、窓口で入場できる) |
| 公式サイト | ВДНХ公式サイト内ページ(atom.museum は2026年10月15日時点で接続不可のため、代替リンク) |
展示面積は25,000平方メートルを超え、1,700点以上の展示物があるとされています。屋上には、ВДНХで唯一の展望台もあります。
注意点として、外国人(CIS諸国の国民を除く)の入場料は、一般料金の4倍近くに設定されています。ロシア以外から旅行や留学で訪れる方は、あらかじめ知っておくと安心です。
館内に入ってすぐ:原子核をイメージしたオブジェ

入館してすぐの広間には、原子核をイメージしたと思われる、大きな金属の球体のオブジェが設置されています。中には、青紫色の球体が密集しており、写真映えするスポットの一つです。
ソ連の核開発の歴史
館内には、ソ連が初めて開発した原子炉の設計図(レプリカ)や、初の原爆「RDS-1」の構造を解説する展示があります。1951年時点の、米ソの核弾頭数を比較する展示もあり、当時の緊迫した状況がうかがえます。

また、1945年に日本の広島・長崎に投下された原爆についても、年表とともに、投下の経緯や被害の規模が、歴史的資料として展示されています。日本人にとっては、複雑な気持ちになる展示ですが、史実として、きちんと扱われている点は印象的です。
「原子力都市」の紹介コーナー

壁には、ロシア各地の時計と、光る地図が設置されています。地図には、「ЗАТО(閉鎖都市)」と呼ばれる、原子力産業に関連する都市の名前が並んでおり、ロシアの国土の広さと、時差の大きさを、あらためて実感できる展示です。
原子力の平和利用:原発と砕氷船
後半のエリアには、原子力潜水艦の模型や断面図に加えて、ロシアならではの「原子力砕氷船」の模型があります。ロシアは、世界でも珍しい、原子力で動く砕氷船の艦隊を運用している国で、その1つ「アルクチカ」の模型が、細部まで作り込まれた状態で展示されています。

最後のエリアには、現代の原子力発電所の模型があります。「ВВЭР-1200」という原子炉4基分で、1,000万人分の電力をまかなえる計算になる、と解説されています。

訪れるときのポイント
- 予約は不要だが、無料開放日や、休日は、入場までに列に並ぶことがある
- 外国人料金は、一般料金よりかなり高いので、事前に確認しておく
- 屋上に、ВДНХで唯一の展望台がある(時間に余裕を持って訪れるのがおすすめ)
- ВДНХ自体が広いので、他のパビリオンとあわせて、1日がかりで回るのがおすすめ
まとめ
「ATOM」は、ロシアの核開発の歴史から、原子力の平和利用まで、幅広く学べる、想像以上に本格的な博物館です。広島・長崎の展示もあり、日本人にとっても、考えさせられる内容が含まれています。ВДНХを訪れる機会があれば、立ち寄ってみる価値のある施設です。
実際に訪れたときの、混雑の様子や、率直な感想については、こちらの記事にまとめています。


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